TOEIC800点を目指す人が知っておくべき全知識を935点保有者が解説!

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「TOEIC800点を越えた」と聞いて、皆さんはどんなイメージをお持ちになりますか?

ポジティブなイメージだけを取り出してみるとして、多くの方が思われるのは、「英語がとても得意な人」「一定以上の英語力を持っている」「海外旅行を臆することなく楽しめる」「ビジネスで英語を使える人」などでしょうか。

私のイメージでは、800点を越えた人は「飛び立つ羽根を持つことが出来た人」です。

まだ飛び立ってはいませんが、「これから大きく飛翔する羽根を手にした人」であるといえるでしょう。

今日は「TOEIC800点」がTOEICテストの中でどのような意味を持つのかなどについて、いろいろな視点からお話したいと思います。

その上で、今現在800点越えを目指してがんばっている皆さんに、私が800点の壁を越えるために行った勉強法あれこれについてご紹介したいと思います。

ぜひ参考にして下さい。

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もくじ

TOEIC800点のレベルとは?

序文でもふれたように、「TOEIC800点」は「英語力が一定レベル以上に高い」ことの代名詞のように使われることが良くあります。

まずは、「TOEIC800点」が実際どのような位置づけにあるのかを見て行きましょう。

1) TOEIC受験者の中で800点を取得している人の割合

TOEIC受験者の中で、800点以上を取得した人はどれ位いるでしょうか?

2019年5月の第238回TOEIC L&Rテストの結果によれば、795点以上を取得した人(800点の括りはなし)は全受験者142,105人中18,908人、全体の13.3%です。

その内訳は、900点代(895~990点)は3.6%で、800点代(795~895点)は9.7%。

700点代(695~795点)になると14.6%ありますので、900点代は元より、800点代取得者の割合もかなり少ない、成績優秀者であるということが分かります。

引用:平均スコア・スコア分布 詳細 (第238回)

2) TOEIC800点を取得するために必要な学習時間は?

これだけ取得者の割合が少なく、また600点代から700点代に上がる時よりも難しさが増すTOEIC800点越えを目指すにはどれだけの学習時間が必要となるでしょうか。

イギリスの大手出版社で、英語教育や英語学習のためのテキストや辞書などを出版している専門出版社であるOxford University Press。

同社が各100点枠から次の100点枠にいたるまでの必要勉強時間について興味深い報告をしています。

250点から350点にいたるために必要な学習時間は約200時間。

350点から750点までは、各100点枠きざみで、それぞれ同じで225時間です。

それが、750点から850点にいたるには、275時間と50時間も必要時間が増えます。

(850点から950点には325時間とさらに50時間増えます)

800点と900点の枠越えをする際に2回、それまでにない難しさが加わることが分かりますが、これは単に50時間ずつ増えるということではありません。

この2つの壁を越えようとしている受験者たちは、初級から中上級者よりもその時点ですでに英語力が高い人たちだということが重要です。

それなりに勉強方法も向かう姿勢も出来ている人たちが、さらに50時間ずつ勉強時間を増やさないと突破できない壁だということです。

ここからも、ひとつめの壁、TOEIC800点越えが簡単ではないことと、TOEIC全体の中でのTOEIC800点の位置が分かります。

出典: A Teacher’s Guide to TOEIC® Listening and Reading Test Preparing Your Students for Success Oxford University Press, 2007

TOEIC800点を取ることのメリット

就職の際や進学の際など、TOEIC800点以上を取得することで得られるメリットがいろいろとあります。

1) 大学、大学院入試の出願要件を満たせる

大学や大学院によっては、TOEICのスコアを持って英語試験の代わりとしたり、推薦入試の際の判断の基準にしたりする学校があります。

また、TOEIC L&Rテストのスコアに加え、TOEIC Speaking & Writing Testのスコアを併せて4技能型の試験としたりする大学もあります。

その分より多くの時間を他の科目へ割り当てられるなど、受験勉強の効率化を図ることが出来ます。

自分の受験する大学がTOEICを活用しているかどうかを調べてみると良いでしょう。

引用:入試や単位認定に役立つTOEIC® Program

2) 大学の単位をとれる

入試だけでなく、大学・短期大学・高等専門学校によっては、入学後の単位認定にTOEICスコアを活用している学校もあります。

やはり他の履修科目との兼ね合いでより多くの授業を履修出来る、研究や実習活動などにかける時間を多くとれるなど、様々なメリットがあります。

引用:TOEIC® Tests 入学試験・単位認定における活用状況-大学・短期大学・高等専門学校-

3) 就職活動の武器になる

グローバル化に伴い、日本の企業と言えども、英語が業務に欠かせないものとなっています。

IIBCの調査では、対象の75%の企業が業務に英語を使用していると回答しています。

その内4割が英語能力向上のために社員の英語学習へのモチベーションを喚起したり、5割を超える企業が実際にグローバル人材の育成に取り組んでいます。

また、やはり5割を越える企業が、海外進出を見据えて海外勤務出来る人材の育成の推進に取り組んでいるという調査結果が出ています。

その英語教育や人材育成、また採用、昇給、昇進の際の基準として多くの企業がTOEIC Test Programを活用しており、従来のL&Rテストに加え、Speaking & Writing テストも活用されています。

また7割の企業が採用時にTOEICのスコアを参考にしていると回答しています。

TOEICでハイスコアを取得することは、より優位に就職活動を進めるための力強い武器になると言えるでしょう。

引用:2013年「上場企業における英語活用実態調査」報告書

4) 年収が上がる

求人情報や転職情報を発信する「doda(デューダ)」は、同社のエージェントに登録したホワイトカラー系職種で正社員として働く人を対象にTOEICと年収との関連を調査しています。

それによると、TOEIC400点~600点代ではそれほど明らかではない年収との相関が、700点以上保持者になるとはっきりと分かると言います。

さらに、平均年収を比べた場合、TOEIC未受験者とスコア保持者とでは100万円近くの開きがあると報告しています。

「高いスコアを取れば年収が上がるということではない」としながらも、ハイスコアを取ることへ努力出来る人に高い年収を実現する可能性があるのではないかと提案しています。

引用:求人情報・転職サイト Doda(デューダ)「グローバル転職成功ガイド」

TOEIC800点越えを目指すことの意味とは?

2で触れたメリットと並んで、「TOEIC800点越え」を目指すことにはいろいろな意味があります。

まずは以下の項目をご覧ください。

2019年5月に行われたTOEIC Listening & Reading Test(以下、TOEIC L&R TestもしくはL&R Testと記述)の平均スコアは579.2点でした。

引用:平均スコア・スコア分布 詳細 (第238回)

企業が新入社員に期待するTOEICL&R平均スコアは565点ですが、人気業界の企業を見てみると、新入社員の実際の平均スコアは600点以上です。

引用:TOEIC公式サイト「就活サポート特集」3

海外赴任者を選定する際にTOEICスコアを判定基準にしている企業が基準とする平均スコアは695点です。

企業が自社の国際部門で業務を遂行する社員に期待するスコアは700点以上で、平均スコアは750点です。

引用:TOEIC公式サイト「就活サポート特集」4

ここから何が見えて来るでしょうか?

TOEICを主催するIIBCによれば、受験者の平均スコア579.2点はレベルBとレベルCの間です。

日常生活のやり取りは問題なく、ビジネスの場合は正確さには多少問題はあるものの、ある程度の業務上のオペレーションに対応できるレベルと考えることができます。

受験者の平均スコアと新入社員に期待する平均スコアはほぼ同じですので、入社時に、例えば電話の取次ぎやE-mailでの通常のやり取り、海外ゲストのアテンド位は出来ることが期待されています。

ただし、人気業界の場合は、新入社員が実際に保持しているスコアの平均が600点以上ということですから、人気業界を目指す学生の意識の高さが伺えます。

それと共に、企業側が社員の「英語力」について求めるレベルが上がってきていることが分かります。

ここまで見た上で、③④の入社後に英語を活用できる部門での業務や海外赴任をめざす場合を考えてみましょう。

 

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海外赴任者の選定に基準としているスコアの平均が695点、国際部門での業務遂行に期待するスコアの平均が750点

もしあなたのスコアが例えば697点であれば、もしくは753点であれば、海外赴任が出来たり国際部門での業務につけたりするということでしょうか?

それは残念ながら違います。これはあくまで「基準」、つまりエントリーのスタートラインにやっと立てるのがそれぞれ695点以上、750点以上ということです。

さらに、この点数は平均。

つまり、もっと高いスコアを持っている候補者がいる、ということです。

海外赴任や国際部門での業務を希望してくる候補者ですから、800点はもちろん、900点以上持っている人もいる可能性は十分あります。

数は少ないかも知れませんが、採用枠が1人のところに1人いれば、ほぼその人に決まります。

もちろん選定には、入社してからの業績や仕事への熱意や取り組み、人柄など、英語力以外にも評価の基準はいろいろあり、それが総合的に判断されることは言うまでもありません。

ただ、そもそも英語力がなければ業務がスムーズに出来ない分野での仕事で、695点や750点など、エントリーの最低基準だけのスコアでは厳しいと言わざるを得ません。

私は過去15年間ほど、外資系企業何社かで外国人管理職のバイリンガルセクレタリーとして働いていました。

いろいろな上司と仕事をしましたが、その頃よく感じたのは彼らが本当に合理的だということです。

言葉でのコミュニケーションが十分に出来なければ、どんなに実力があっても仕事は任せられない。

特に若手の社員に対して厳しい人が多かったように思います。

やりたいなら十分な英語力をつけてから言って来い、仕事なんだから、と笑いながらきっぱりです。

さて、そこでスコア800点以上です。

860点はレベルA:「Non-nativeとして十分にコミュニケーションできるレベル」

もしあなたのこれまでの業績が評価されていて、人柄や仕事への取り組みも十分なものである場合、それが選定の際に加味される可能性が出てくるのが800点以上というスコアです。

もちろん800点取っていれば安心ということではありませんが、800点代へスコアをジャンプアップさせている場合、話を聞いてもらえる可能性が出てきます。

外国人管理職の合理性は、多様かつフレキシブルです。

英語力が不十分なら見向きしてくれなくても、まだ完璧でなくともビジネスでのコミュニケーションが取れるレベルとなれば、業績・人柄・熱意を積極的に検討してくれる人が多いです。

海外赴任、国際部門への実質的なエントリーの基準、それが800点以上だと考えましょう。

700点代から800点代への100点枠越えにひとつめの大きな壁があることを先にデータの面からお話しました。

「勉強しているのになかなかスコアが伸びない」そんな悩みを時々耳にします。

今800点越えを目指している皆さんの中には、おそらく実感としてこれまでとはタイプが違うはっきりとした壁があることを感じている方も多いのではないでしょうか。

なぜなら、800点を越えるためには、ひとつにしっかりとした英語の基礎体力、ふたつに「TOEIC」という試験に見合った勉強方法が必要となるからです。

これまでは、中学・高校で学んだ英語の知識に加えて、「TOEICを受験してスコアを上げる」というやる気が合わさって、それなりに伸び上がって来られました。

けれど、ここからは文法の理解度や語彙力、文章読解力について、これまでどの程度しっかり積んで来ているかが問われるのです。

けれど恐れることはありません。

もし積んできたかどうか自信がないのであれば、ここで自分の今の実力と何が得意で不得意なのかを確認して、しっかり積み直せばいいのです。

それには地道な努力が必要となりますが、今こそがその時、つまりチャンスです。

800点代から900点代への飛躍にもさらなる難しさはありますが、800点をひとまず越えた人であれば、英語に対する基礎体力に加え浮力が加わります。

900点代を、憧れや夢ではなく実際にめざすための羽根が生える可能性のある時です。

そんな時にいるのだということを、ぜひ誇りに思っていただきたいと思います。

TOEIC800点を取得するための戦略

ここまで、私が考える「TOEIC800点」がどんなものなのかについていろいろお話してきました。

地道な努力が必要だけど、飛躍するための大きなチャンス。

では、実際に今の自分のスコアをこの100点枠に乗せるためにはどうすれば良いでしょうか。

1) TOEIC800点を取得するためのマインドセット

「自分は800点以上を取るのだ」ともう一度自分に言い聞かせてください。

ここで大切なのは、「800点」ではなく「800点以上」と思うことです。

まずは800点という壁を越えて、それから800点代の100点枠を駆け上るイメージをしてください。

陸上の棒高跳びを思い起こしてください。

高く飛ぶためには、全力で助走をしてポールを突き立て、腕の全ての力で踏ん張る必要がありますね。

800点の壁を越えてさらにその先に進むためには、ここで英語の基礎体力をつける地道な勉強と、TOEIC対策ならではのブートキャンプのような勉強の両方が必要になります。

これまでは、直近のTOEIC試験に対して勉強や対策をして来た方も多いと思いますが、これからは2つ先、3つ先の試験を見据えて勉強・対策をしていきましょう。

試験日からまだ時間がある頃に、自分の英語の基礎体力を確認してしっかり基礎固めをし、

「800点さえ越えたら終わり」なら別ですが、おそらくこの記事を読んでくださっている皆さんは、さらに上に行きたい本気の方々ではないでしょうか。

ここで、地固めをしておくと、800点代を駆け上がって、「その先へ行く」のが現実的になります。

そのための覚悟を決めましょう。

2) リスニングでは高みから攻める

800点を目指すレベルにある皆さんは、すでに英語を聴くことに対する抵抗はほぼなくなり、耳が出来て来ています。

ここから必要なことは、その耳を少し急き立てて、「自分には速いかも」と思える速度の英語をたくさん聴くことです。

ただし、「試験まで時間がある期間」と「試験直前の対策期間」ではまったく違うので注意してください。

① 試験まで時間がある期間:音の世界を広げよう

出来るだけ幅広く、各国の英語ネイティブがナチュラルなリズムで話している英語をたくさん聴きます。

アメリカのニュース番組のCNN、ABCや、イギリスのBBC、オーストラリアのABC Newsを始めとするニュース局は、それぞれはっきりした発音ながら、時間内に収めるため比較的早め。

特にヘッドラインや速報は早口で次々にコンテンツが読み上げられるためお勧めです。

National Geographic、History Channelなどのドキュメンタリーなども、内容が濃く、リズム良いナレーションや会話、対談などが挟まれてお勧めです。

映画や海外ドラマは、コメディやアクションよりもドラマ、ミステリーなど文章の多いものを日本語字幕ではなく英語字幕で観てください。

現時点ではおそらく「速すぎて分からない」もしくは「分かるところと分からないところがある」状態だと思いますが、その速さのまま聴いてください。

ここで注意が必要なのは「聴き流さないこと」と「ディテールにとらわれない」ことです。

900点以上のスコアを持つ実力のある人は、聴き流しながら無意識に意味を取っているので良いのですが、今の皆さんには本当に「聴き流し」になり、リスニング強化の役には立ちません。

同時に、センテンス一文一文や、単語、単位や日付など細かな情報にとらわれすぎてもいけません。

この2つは相反するようですが、そうではありません。

そのニュースやナレーションが伝えていることは何だろう、と意識をして、内容の意味を取ることに集中して、聴こえてくる英文を体の中に通すように聴いてください。

② 試験直前の対策期間:「TOEIC節」を繰り返すブートキャンプ

試験が近くなって対策をする期間に入ったら、①とは全く違うリスニング対策をします。

①で上げた媒体は一切聴かず、TOEICで出題されるリスニングの英語だけを聴くようにしましょう。

TOEICはリスニング・リーディング共に、その出題傾向・問題内容、解答の方法、リズムやテンポなど、そのすべてに独自の世界を持つ、とても特殊な試験です。

私は「TOEIC節」と呼んでいますが、その世界に身をひたすようにして対策をします。

リスニング対策は、公式問題集の模試のリスニングセクションの問題を繰り返し何度も聴いてください。

可能であれば、何度でも問題を解きながら45分間を通しで、難しいようならパートごとにひとまとまりでリスニングします。

その際のスピードは自分が「ちょっと速いな」と思うスピードに合わせます。

繰り返し聴いている内に耳が慣れて来ますので、慣れたらさらにスピードを上げて聴く、をさらに繰り返してください。

Part1の写真描写は、出題された写真について、質問で扱われた以外の要素についても自分なりに描写してみることをお勧めします。

なぜなら、次の試験で同じような写真が出題され、違う要素が質問項目になることがTOEICでは大いにあり得るからです。

Part2の応答問題への対応のポイントは、「質問内容を把握する:5W1Hの質問とそれ以外を区別する」ことと「ひっかけ問題かどうかを把握する」ことです。

要は、質問の内容を焦らずしっかり理解するトレーニングが大切なのです。

Part3の会話問題は2~3人の会話を聞いて、それに対する複数の設問に答えるものですが、やはり会話の内容をしっかり把握できるようになることが大切です。

普段誰かの会話を聞いて内容を無意識に把握するように、TOEICの会話も自然に内容を把握できるような集中力を磨いてください。

Part4の説明文問題もPart3と同じで、説明文の内容をしっかり把握することに集中してください。

そうすれば、設問には問題なく答えられます。

800点を目指すレベルにいる皆さんだからこそ、写真描写、応答問題、会話、説明文共に、枝葉に惑わされず本質をしっかりつかむ聴き方、答え方を鍛えて欲しいと思います。

3) リーディングでは、足元を固める

800点を目指すレベルの人たちにとって、実は、リーディングセクションは「本当の実力」が日の元にさらされる少し怖いセクションです。

これまでは、試験直前にTOEIC用のテキストをある程度まじめに勉強すれば何とかなって来ていたものが、ここからは英語の基礎体力がなければ進めないからです。

増してや、800点後半や、900点以上を目指すのであれば、なおさらです。

けれど、ここが踏んばりどころであり、自分の土台の穴をふさいで固めるチャンスとも言えます。

① 試験まで時間がある期間:じっくりと腰をすえて調査&基礎固め

自分が使いやすい中級者~上級者向けの文法テキストを1冊用意して、最初からひとつひとつ、きちんと理解するまで勉強しましょう。

勉強している内に自分の得意・不得意と共に、分かっていたつもりで分かっていなかったことなどが浮き彫りになってきます。

不得意や不明瞭だった項目については、繰り返して徹底的に勉強してください。

テキストに出て来た文章ごと、出て来た単語もその意味合い(ニュアンス)で自分に落とし込みます。

地道で決して楽しい過程ではないかもしれませんが、こここそが800点を目指す皆さんならではの時間だと考えてください。

私は、TOEIC全体を通して一番やっかいなのは、リーディングセクションPart5の短文穴埋めだと思っています。

なぜなら、ここは文法力が問われるパートで、出て来た文法内容を知らなかったらまったく答えられないパートだからです。

言い換えれば、ここをしっかり押さえることが出来るだけの英語基礎体力は、Part6、Part7での文章読解にも必ず役に立ちます。

文章読解そのものの勉強方法としては、新聞、雑誌、小説など様々な媒体の多読をお勧めします。

知らない単語ごとに調べるのか、ある程度無視して前後の意味から類推するのかは個人の好みで自由ですが、最終的にその文章全体の内容をきちんと把握して、かつ楽しむようにしてください。

その上で出来るだけ幅広く、たくさんの文章に触れてください。

② 試験直前の対策期間:「TOEIC節」を繰り返すブートキャンプ

リスニングセクションと同じで、試験直前の対策期間に入ったら、TOEICの英語以外はいったん休止しましょう。

公式の問題集のリーディングセクションを出来れば75分間通しで、難しければパート毎にまとめて、全体を記憶してしまうほどに繰り返し解きます。

Part5の短文穴埋め=文法問題はこの機会に出題されている文法項目をマスターしてしまいましょう。

Part6の長文穴埋め問題は、長文から抜けているセンテンスを選択肢から選ぶ問題です。

ここで役に立つのが、対策期間前にやった内容を把握して楽しむ多読です。

英語の文章を読んで楽しめるようになっておくと、自然に抜けたセンテンス=足りない情報が何かが浮かんできます。

これに「TOEIC節」に慣れる繰り返しの対策を組み合わせれば、鬼に金棒です。

Part7の一つ、もしくは複数の文書を読んで設問に答える問題も、ポイントは着実な内容把握です。

Part6よりも事細かなディテールがちりばめられるPart7では、惑わされないことが肝要。

ディテールはあえて切り捨てて、文書の肝要な内容と全体の流れに集中して理解することで設問に的確に応えていく、そのトレーニングをしてください。

リスニング、リーディングセクション共に、私が今の皆さんに身に着けていただきたいと思うのは、英語をより自然に身近に引き寄せることでTOEICに振り回されなくなることです。

筆者がTOEIC800点を取るために行った勉強法

ここからは、私が実際に800点の壁を越えて800点代になった時にしていた勉強方法についてご紹介したいと思います。

先ほどTOEICには「TOEIC節」ともいえる独自の世界観があるとお話しましたが、当時の私は残念ながらそれに気づいていませんでした。

それでも900点越えを目指していた時に気づくことが出来ましたので、それはまた別の機会にお話しすることが出来ればと思っています。

1) 英単語

まず、英単語を「暗記する」ことをやめました。

その代わりに、英語で書かれた多様な文章をたくさん、内容を楽しみながら読むことを心がけました。

英単語を辞書で調べると、大抵の単語に「①○○、②××、③・・・」と、複数の意味が書かれているのに気づかれていると思います。

場面や状況によってニュアンスが変わる=意味も変わるというのは言語である以上当然です。

そのニュアンスの違いごと自分に納得させて、しっくりと腑に落ちる形で「知る」ことが英単語を身に着ける一番効果的な方法です。

例えば、「適切な」という意味を持つ単語には「appropriate」「suitable」「proper」「pertinent」「right」「relevant」などありますが、使い分けを出来ますか?

英語の文章を楽しみながら読んで、背景や場面ごと、シーンごとに自分に落とし込んでいくと、自然に使い分けが出来るようになります。

それが新聞であっても、小説であっても、テキストの一文であっても、単語を言葉として知ろうとすると、意外とすんなり頭に入ってくるものです。

分からなくなったりあやふやになったら、また英語の文章を読む。

それを繰り返すことで、英単語を知って実感として学んで行きましたし、今もその途上にあります。

2) 英文法

高校の頃、私は英語があまり得意ではなく、好きでもそれほど熱心に勉強していませんでした。

そのため、英文法に分かっていないこと、穴がたくさんあることは自覚していましたので、その穴を埋めるための勉強をしようと、ここは覚悟を決めました。

先ほどリーディングの対策として英文法の弱点を知って、徹底的に地固めをする機会だと言いましたが、それはまさに自分のことだったのです。

そんな時に出会ったのが、後述しますが、ケンブリッジ大学出版社の出している「Advanced Grammar in Use」というテキストでした。

解説も問題もすべて英語で書かれたこのテキストを繰り返し勉強することで、自分の弱点を改めて知り、足りないところを埋めるようにしました。

そして、やはり現在もまだ足りないところがありますので、相変わらずこのテキストで勉強をしています。

3) リスニング

リスニングの「試験まで時間がある期間」の勉強方法としてあげたことが、そのまま私がやった勉強方法です。

アメリカ英語からイギリス英語、また、いろいろなタイプの英語を聴いていたことで、スピードに対する耳は鍛えられていましたが、「TOEIC節」には慣れていませんでした。

皆さんにはぜひ、試験が近くなっての対策を行う際には「TOEIC節」に合わせたリスニング対策をされることをお勧めします。

4) リーディング

リーディングの文章読解についても、やはり「試験まで時間がある期間」の勉強方法と同じでした。

その頃はとにかく多読でしたので、英語の文章に親しんでいたことと、ある程度テンポとスピードを持って読むことが出来るようになっていました。

皆さんは、ぜひ試験が近くなったら「TOEICの英文」に身を浸して対策することを試みてください。

TOEIC800点を取得してから変わった4つのこと

TOEIC800点代に上がって一番大きく変わったことは、自分の中の英語に対する意識でした。

具体的な変化もありましたが、結果的にはそれが自分にとっての英語の位置に与えた影響の方が大きかったように思います。

1) 転職の書類選考で面接まで進めた

バイリンガルセクレタリーとして仕事をしていたのですが、転職の際に、それまでは書類で落とされていた案件に面接まで通ることが多くなりました。

同時に、まだまだ実力不足もひしひしと感じた時期でもあり、その悔しさがさらに勉強をしようというモチベーションをアップしてくれました。

2) 自分のめざしたい「英語力」や「英語とのかかわり方」が明確になった

「TOEIC800点前半位では、実質的な英語力は期待できない」そんな言葉を聞いたことはありませんか?

周囲の人たちは、時に、「英語がかなり得意な人」に、ネイティブと変わらないような聴く力や理解度で、スピード良く自由に対応することを期待します。

けれど、実際には800点代ではまだそのレベルにはいたっている人は多くはないため、そのギャップで上記のようなことが言われるようになったのではないかと推測します。

私も、「分からないわけではないのに」と、もどかしさや悔しさを感じた時期がありました。

そのおかげでもう一度自分にとって英語とは何か、そしてどんな風になりたいのかを見つめ直し、もう一度決め直すきっかけになりました。

3) 英語の電源のプラグがつながり始めた

もどかしさとは反対に、時々ふいに「あれ?私、今自然に英語で話をしていた」「あれ?英語を英語のまま読んでいた」などの場面に出会うようになりました。

常にではなくても、無意識のうちに英語が自然に耳や頭に入って来る。

まるでチャンネルが合うように、電源のプラグがつながるように英語とつながる瞬間が増えるようになりました。

そうすると勉強していてもすんなり英語の文脈に自分を合わせることが出来るようになります。

まだ小さく、不安定ながらさらに上を目指して飛び上がる羽根が生えたような思いがしました。

4) 英語が大好きになった

英語につながる瞬間が増えると、英語そのものがとても身近なものに感じるようになりました。

聴きたいから聴く、読みたいから読む、そしてうまく行かなければ行くようになりたいから勉強する。

これが私にとっては一番大きなことでした。

TOEIC800点を目指す人におすすめの参考書

800点越えを目指す皆さんには、時間がある期間にはじっくりと英語基礎体力を鍛えながら、直前には「TOEIC節」にひたって、2局面からTOEICの英語への対策をして欲しいと思います。

そこで、ここでも試験まで時間がある期間と直前の対策期間の2つに分けてお勧めの参考書をご紹介したいと思います。

1) TOEIC試験まで時間がある期間におすすめの参考書

試験まで時間がある期間には、英語文法、英文読解やリスニングなど、の英語の基礎体力作りをしましょう。

やる気を維持するためにも、自分と相性の良い参考書やテキストを使うことが一番です。

以下はあくまで私にとって相性の良かったテキストですが、よければ参考にしてみてください。

① Advanced Grammar in Use with Answers: A Self-Study Reference and Practice Book for Advanced Learners of English (英語)  Raymond Murphy 著、 2013

見開き左ページが文法の解説、右ページがそれに基づいた問題になっており、「一日一見開き」で計画的に自己学習が出来ます。

「in Use」の名が示す通り、実際に日常で使われている英語文法がピックアップされている良書です。

文法の解説も問題も、解答やそれに対する解説もすべて英語で書かれています。

ハードルが高く感じる人もいるかも知れませんが、英語を英語で勉強することが出来てお勧めです。

② English Grammar in Use Book with Answers: A Self-Study Reference and Practice Book for Intermediate Learners of English (英語) Raymond Murphy 著、2012

同じ「in Use」シリーズの、中級者向けテキストです。

英文法には自信がない、という方であれば、ここからきっちり復習してみても良いでしょう。

2) TOEIC試験直前の対策期間におすすめの参考書

TOEICを制するにはTOEICで出題される問題を徹底的に勉強すべし、これが私の一番の思いです。

ここまで来たら「習うより慣れよ」で対策出来るテキストを選びましょう。

① 絶対、公式問題集

公式の問題集だけで対策しても良いと言える位お勧めのテキストです。

模試2回分(400問分)の実際の試験に即した問題を解くことができますので、これをとにかく繰り返し勉強することをおすすめします。

何冊か出ている内から、最新のものを2冊ご紹介します。

「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 3」(2017年15月)

「公式TOEIC Listening & Reading 問題集 4」(2018年10月)

② 上から目線で鍛える

公式の問題集にプラスするという前提で、以下のテキストもお勧めです。

990点を目指す人たちに向けたテキストで、リスニング・リーディング共に難問に特化した問題を集めて編集されています。

800点を目指す皆さんには、今は難しいと感じることが多いかも知れませんが、特にリスニングセクションは耳を慣らすためにも高みを目指してみてください。

「TOEIC L&Rテスト990点攻略 改訂版: 新形式問題対応」 濱崎潤之輔著、旺文社、2017年

TOEIC800点を目指す人におすすめの英語アプリ2選

仕事に学校にと何かと忙しい日々、机でじっくり勉強出来る時間が取れない場合も多いと思います。

そんな時に便利なのが連れて歩けるスマホアプリのテキストです。

すき間時間を効率的に利用しながらの学習には、本当に効率的なアプリを選びましょう。

① スタディサプリENGLISH TOEIC対策講座

使い勝手の良さ、公式に則ったコンテンツ、TOEICをプロの視点から徹底的に分析した効率的な学習内容から、とても優良なアプリです。

カリスマ講師による重点を押さえた授業に加え、TOEIC各パートの学習に対応したコンテンツを短時間のすき間時間で勉強出来るところが魅力です。

学習者が「無理なく少しずつ」を重ねた学習時間を総合し、「これだけ勉強しています」と提示することでモチベーション維持にも役立つお勧めアプリです。

② TOEIC® presents English Upgrader

TOEICを主催するIIBCが学習教材として提供しているポッドキャストを元に編集したコンテンツをアプリとしてアレンジしたもの。

ビジネスシーンを中心に、日常会話も含めた様々なエピソードについて、フレーズの解説や理解度チェックなどを通して学習できます。

エピソードごとにダウンロードできる他、シチュエーションやシリーズごとに編集したり、不必要なものを削除することも出来ます。

魅力は何と言っても「公式が出している公式」であることと、無料で提供されていること。

TOEIC Programの出題内容とは関係ないと明記されているものの、リスニング教材としてしっかり学習をしたい人にはうってつけの優良アプリです。

<追記>お金に余裕のある人は「スタディサプリTOEICパーソナルコーチプラン」もおすすめ

ここまでは、時間をかけてじっくりと800点の壁を越え、その先に飛び立つためのあれやこれやをご紹介して来ました。

けれど、800点越えを目指す皆さんの中には、「どうしても短期間に800点越えを目指したい」という「何がなんでも!」な方もいらっしゃることでしょう。

そんな方には、あなたの現在の英語力や目標などから、あなたに向き合った学習プランを立ててくれる自分だけのTOEICコンシェルジュが大きな助けになります。

先にご紹介した「スタディサプリENGLISH TOEIC 対策講座」の中には、特別コースとして「パーソナルコーチプラン」があります。

あなたのための学習プラン、それを実現・実行するための担当コーチのサポート、そして、ゴールに導くプロが作り出した充実したコンテンツが用意されています。

通常の対策講座よりも費用はかかりますが、「Time is money」で最短の時間で目的を達したい方は、こんなコースも検討してみるのも良いでしょう。

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まとめ

「TOEIC800点越え」には、これまでの100点枠をジャンプアップする時とは明らかに違う、見えない高い壁があります。

けれどそれは決して乗り越えられないものではなく、さらに乗り越えるための努力こそが、その後さらに飛び立つための力を創りあげてくれることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

ここが正念場です。

ここがこれまでを振り返ってこれからにつなげていくためのきっかけをくれる場所です。

英語の勉強には終わりはありません。

どこまで行っても日々学ぶことばかりですが、それを楽しく感じられるのも、がんばりたい思いがあるからこそです。

英語を、「やらなくてはいけない勉強」からもっと身近な親しい存在に変えませんか?

「TOEIC800点越え」とそのためのがんばりは、そのためのきっかけをもたらしてくれます。

この記事が、がんばるあなたにとって少しでも支えになったなら光栄です。

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